スペシャルトーク

YouTuberって、何がすごいのかを聞いてみた【前編】〜鈴木おさむ × 鎌田和樹 × ヨッピー鼎談〜


鈴木おさむ × 鎌田和樹 × ヨッピー スペシャル鼎談
ヨッピー
ヨッピー

こんにちは。ヨッピーです。

「お前誰だ」って言われそうなので先に説明しておきますと、僕は普段「ヨッピー」という名前でインターネットで色々と記事を書いているライターなのですが、本日はご縁があって、すごくえらい二人にお話を聞ける事になったので、ご紹介したいと思います。

まず一人目!
あのHIKAKINさんやはじめしゃちょーさん、水溜りボンドやフィッシャーズなど、そうそうたるメンツの人気YouTuberが所属する、UUUM株式会社代表取締役の鎌田さん!

鎌田和樹
鎌田さん

よろしくお願いします!

鎌田 和樹・・・かまだ かずき 33歳。UUUM株式会社代表取締役。19歳にして某上場企業に入社。入社後は社長直々の命令でテレコムサービス株式会社にて携帯電話ショップ出店、運営、アライアンスなど様々な経験を積む。2011年よりイー・モバイル一次店の代表取締役を務めるも、ガンホー・オンラインエンターテイメント創立者、孫泰蔵やHIKAKINとの出会いによって独立。2013年6月にUUUM株式会社を設立。会社名の由来は、社名を決める時に「うーむ」と悩んだから。
ヨッピー
ヨッピー

「そして続いてがこちら!放送作家の鈴木おさむさんです!」

鈴木おさむ
鈴木さん

よろしくお願いします!

鈴木 おさむ・・・すずき おさむ 45歳。放送作家。スマイルカンパニー所属。高校生の頃より放送作家を目指し、19歳で放送作家デビュー。バラエティを中心に数々の人気番組の構成を担当。他にも映画やドラマの脚本、小説の執筆など様々なジャンルで活躍仲。愛妻は森三中の大島美幸。
ヨッピー
ヨッピー

今日お集まり頂いた、僕を含めた3人って、全員ジャンルがバラバラ。
僕はネットのライターなので画像と文章がメイン、鎌田さんはYouTubeの仕事なので当然動画メインで、鈴木おさむさんは地上波テレビのお仕事がメインっていう感じで、見事にバラバラです。

今日はそんな中で、インターネットとYouTubeと地上波テレビっていう、メディアの垣根を越えるような話が出来たらいいなと思ってるのでよろしくお願いします!

 

※本日の対談は、リアリティを追及するため、「全編ほぼ書き起こし」という、素材そのままの味を楽しんでいただける方式でお送りします。

 

 

家のテレビでYouTubeに夢中になる子供たちの衝撃

ヨッピー
ヨッピー

鎌田さんはUUUMの社長ですから当然YouTubeを見ると思うんですけど、(テレビ業界の人である)鈴木さんってそもそも、YouTubeを見るんですか?

鈴木おさむ
鈴木さん

見ますよ!YouTubeが始まって最初の方に見てたのって、やっぱり動物の衝撃映像!みたいなやつなんですよ。

鎌田和樹
鎌田さん

ハムスターがクルクル回るやつ(笑)。

鈴木おさむ
鈴木さん

そうそうそう!後は動物園で、人がワニの口に挟まれて食べられかけるやつとかね(笑)。
ああいう、「テレビでは見れないもの」っていうのを見るために見始めたのが最初のきっかけで。

ヨッピー
ヨッピー

すっごい上手いダンスの映像とかですよね。

鈴木おさむ
鈴木さん

そうそう。あとは懐かしい音楽のPVとかテレビの放送事故とか。そういうのからはじまって、それが気付くとYouTubeが生活の一部になるんですね。

で、YouTuberの方々が出てきた時は「YouTuber?それってどういうものだろう?」って確認のために見るくらいで。だから、YouTubeは見ていたけど、衝撃映像なんかがメインで、YouTuberの映像をすごく見ていたかというと、そうではなかったですね。

ヨッピー
ヨッピー

それはHIKAKINさんとかが出てきた頃の話ですよね。

鈴木おさむ
鈴木さん

そうですね。それが大きく変わったのが、僕に子供が出来た事なんです。これはテレビ業界の人間あるあるなんですけど、子供が5歳くらいになるとみんなHIKAKINさん見始めるんですよ。

ウチ、テレビがスマートテレビっていう、ネットが内蔵されてるやつなんですけど、あれって最初に電源入れても、地上波放送の画面にならないんですよ。最初にメイン画面があって、そこにYouTubeとかNetflixとかああいうのが全部並んでるんです。

その中からわざわざ選ばなきゃ地上波テレビ見れないんですよ。だから僕、テレビ買った時に奥さんにめっちゃ怒られたんですよ。「こんな使いにくいテレビ買ってきて!すぐテレビ見れないじゃん!」って(笑)。

 

 

ヨッピー
ヨッピー

「テレビの仕事してるくせに!」って(笑)。

鈴木おさむ
鈴木さん

で、そんな風に怒られたんですけど、子供が10か月くらいの時に機関車トーマスを好きになったんですよ。YouTubeってトーマスの動画がけっこうあるんで、子供がそれを見始めるんですけど、それをきっかけに今度は子供が色んな動画を見るようになるんです。
最初にね、ウチの子供が覚えた言葉って、マンマ(ご飯食べたい)、ネンネ(眠い)、そして「ドゥ」なんですよ。

ヨッピー
ヨッピー

へ?ドゥー???

鎌田和樹
鎌田さん

ドゥ……?

鈴木おさむ
鈴木さん

「動画」の「ドゥ」なんですよ。

ヨッピー
ヨッピー

動画のドゥ!?

鈴木おさむ
鈴木さん

僕らが「動画」って呼ぶからそれを聞いて「ドゥ」なんですよ。

ヨッピー
ヨッピー

すげぇ!

鈴木おさむ
鈴木さん

子供は、言葉を欲求の順番に覚えるんですよ。「マンマ」が来て「ネンネ」が来て「ドゥ」だから、「ごはん食べたい」「寝たい」の次に「動画が見たい」っていう欲求が3番目に来てるんです。
だから、YouTubeを覚えるまではNHKのEテレを見てたんですけど、動画を覚えてから子供が「ドゥ!ドゥ!」ってすごく動画を求めるようになったんですね。それで教育的なものとかトーマスとか、そういうものを見ているうちに、YouTuberの動画も見るようになったんですね。

だから、子供が動画を見るようになって、YouTuberがより身近になったっていうのはありますね。

ヨッピー
ヨッピー

じゃあ、鈴木さんがお仕事から帰ると子供がYouTuberの動画を見てるんですね。

鈴木おさむ
鈴木さん

いや、朝からです。

ヨッピー
ヨッピー

朝から!?ハッハッハ!朝から!(笑)

鈴木おさむ
鈴木さん

そう!朝からモーニングドゥ!がはじまるんですよ。

鎌田和樹
鎌田さん

モーニングドゥは新しいですね(笑)。

鈴木おさむ
鈴木さん

油断してると子供がずーっと動画見ちゃうんですけど、僕、一年間仕事休んでたから家で僕が料理を作る時とか、おとなしく動画見てくれてるんですごく助かるんですよ……!

ヨッピー
ヨッピー

鈴木さんって、テレビのお仕事をされている中で、葛藤とかなかったんですか?
「ウチの子供、テレビ見ないで動画ばっかり見てやがるわ……!」っていう。

鈴木おさむ
鈴木さん

テレビ業界の中では「あるある」なんで、噂には聞いてたんですよ。子持ちのテレビマンがね、「5歳の子供がHIKAKINばっかり見る」とか「マインクラフトの実況動画ばっかり見ててテレビ全然見ない」とかね。

鎌田和樹
鎌田さん

まあ、小学生の間で人気ですからね。

鈴木おさむ
鈴木さん

そういうの聞いて、僕は「はいはい」くらいに思ってたんですよ。

ヨッピー
ヨッピー

「またまたぁ~!ちょっと盛ってるでしょー?」くらいに。

鈴木おさむ
鈴木さん

そうそう!それが、いざ自分に子供が出来たら、ウチの子供なんて10ヶ月から見てますから!それで周りの人にYouTubeについて聞くと、動画を見てる間はおとなしくしてくれるから生活が楽になるとか、動画ばっかり見てるのは良くないとかもあるんですけど、動物園に行ってね、カバを見たあとに、YouTubeでカバの動画を見たら復習になってカバって覚えたりとか。そういう意味ではすごく良いですよね。
だから、「あ、本当に子供がこうなるんだ!」って。

で、YouTubeって選ぶ時にアイコンが「赤」じゃないですか。でも地上波って「グレー」なんですよ!全然わくわくしない色なの!

鎌田和樹
鎌田さん

ハッハッハ!

鈴木おさむ
鈴木さん

他はね、みんなカラフルでカッコいいのよ!地上波だけ「地上波デジタル」ってグレーの文字で普通に書いてるだけ!
でね、僕がね、テレビをいじりだすと、子供が「おっ!きたきたきた!」って期待しはじめるんですよ。
それでね、リモコンで選ぶ時にYouTubeから下にトントントンって下がって地上波デジタルを選んだ時に、子供がガッカリして「ハァー……」って深いため息をつくんです。

ヨッピー
ヨッピー

ハッハッハ!

鎌田和樹
鎌田さん

ちょっと成長が早くないですかそれ?(笑)

鈴木おさむ
鈴木さん

ウチの子供からすると、YouTubeも地上波も同じ箱の中から出て来る映像なんで、「あー、子供がこうなるのかぁ」って噛み締めてます。

ヨッピー
ヨッピー

じゃあ、テレビの人達って、自分のお子さんがそういう風な状況になってる事に対して焦ってるんですかね?

鈴木おさむ
鈴木さん

焦ってますよ!なかなかみんな言いませんけど、僕はこういう話をあちこちでするんで、そしたら「いやー、ウチもさぁ~」って。
子供が高校生くらいになると、子供がみんな自分の部屋でスマホでYouTube見たりするから、そういう姿は見なくなるけど、小学生くらいだと家のテレビでそれをやるから衝撃を受けますね。

ヨッピー
ヨッピー

しかもコンテンツって YouTubeだと永遠にありますもんね。

鈴木おさむ
鈴木さん

そうそう。だから関連動画から延々見ちゃったりね。良し悪しだけど。

鎌田和樹
鎌田さん

「関連動画」って単語が出て来るあたりで「うわー、おさむさんすげーYouTube見てるんだな」って思いますね。

こないだHIKAKINと話してたんですけど、彼は19時に動画を出すんですね。そうするとお子さんとお母さんがパソコンの前に座って、子供と一緒にYouTube見るっていう習慣がついてるって言ってましたね。

 

 

ヨッピー
ヨッピー

おー、でもそれって昔はテレビの役割でしたよね。「8時だよ!全員集合」の時間になって、お茶の間にみんなで並んで待ってるっていうのが今はYouTube見てるっていう。

子供の頃に見たコンテンツって、いつまでも強いじゃないですか。志村けんさんなんて、僕は子供のころから見て育ってるから、今でもテレビで志村さんが出て来ると、なんとなく応援するような気持ちで見るんですよ。だから、今HIKAKINさんを見ている子供達がもっと大きくなったら、そうなりますよね。

鎌田和樹
鎌田さん

何年か前に、HIKAKINのイベントをやったら来ているお客さんがほとんど小学生で、その時のネットの反応を見てたら「小学生しかいないwww」みたいな反応だったんですけど、でも今は色んな会社さんが「子供にアプローチ出来ない」っていう悩みを抱えてて、10代の子にアプローチするならYouTuberだっていう結論になってるんですよね。
そういう所にアプローチ出来るっていうのが、逆に言えば彼らの魅力になってると思います。

ヨッピー
ヨッピー

僕もね、最初HIKAKINさんが小学生に囲まれてる写真を見てね、ネットでは「YouTuberって所詮子供しか見てないんだなww」みたいな文脈で叩かれてたんですけど、僕はそれを見て逆に恐ろしかったんですよね。だって、子供にこんなに支持される大人っていないじゃないですか。
子供達がこんながっつり心を掴まれてね、この子達が今後大学生とか大人になって、お金を持ち始めたらとんでもないな、って。

鎌田和樹
鎌田さん

おさむさんに聞きたいんですけど、そういう、ターゲットを若年層に据えた番組ってテレビでは多いんですか?

鈴木おさむ
鈴木さん

子供番組とか、なんとかレンジャーとかはあるんですけど。仮面ライダーの番組ってCMで仮面ライダーの超合金売ったりとかそういう仕組みは昔からあるので、視聴率って子供向けのものは決しては良くはないけど、絶対的な売り上げがあるからやり続けてますね。

僕、テレビ業界で「いまだにこんな事言ってるのか」って思うような事があって、今日もとあるインタビュー見てて思ったんですけど、「視聴率100%で1億2,000万人が見てる」って思ってる人がけっこう居るんですよ。

俺が思うに、視聴率っていうのは「テレビを見ている人の中でのパーセンテージ」だと思っているんですよ。それを「1%だから、100万人だ」って計算をしている人がいて……。

ヨッピー
ヨッピー

すいません。僕も「え?1%って100万人じゃないの?」って思ってしまいました……!

鈴木おさむ
鈴木さん

じゃあ考えてください。視聴率50%のサッカー中継って、2人に1人が見てると思いますか?

ヨッピー
ヨッピー

僕、その50%ってのを見て勝手に「あ、2人に1人は見てるんだ」って思ってましたけど……

鈴木おさむ
鈴木さん

だって、女の人なんて全然見てないと思いません?それに、「半沢直樹」が視聴率45%取りましたけど、国民の2人に1人が、オンタイムで半沢直樹見てないですよね?

ヨッピー
ヨッピー

あー、そっか!たしかに見てないですね……。

鈴木おさむ
鈴木さん

けっこう信憑性あるなって思ってる数字が、1%あたり40万人っていうもので、仮に視聴率100%なら4,000万人。そうすると視聴率100%の番組で国民の3人に1人くらい見たかな、っていう。

鎌田和樹
鎌田さん

あー、確かにいいとこついてますね!

鈴木おさむ
鈴木さん

視聴率100%で3人に1人、視聴率50%で6人に1人って考えると、「あー、いいところかも!」って。確かに50%の番組なら6人に1人くらいは見てるかも。でも2人に1人って言われたら「それはないな」って思ってます。

その理論が合ってるとして、子供番組の視聴率が3%あったとしたら、勘違いして300万人が見てるって思っちゃうんですけど、実際には120万人って思うんです。
そしたら、「テレビで見てる120万人」と、「ネットで積極的に見てる120万人」どっちが熱いかって言ったら絶対に「ネットで積極的に見てる120万人」なんですよね。

テレビでも、「積極的に見てる視聴率」と、「なんとなく見てる視聴率」っていう理論があって、ダウンタウンさんの番組って視聴率10%でも、「ダウンタウンが見たい人達による10%」なんですよ。

鎌田和樹
鎌田さん

積極的な層ですね。

鈴木おさむ
鈴木さん

そう。それがダウンタウンさんのすごいところなんですけど。ダウンタウンさんの番組を見る層はなんとなく見る層ではないんですよ。

それでね、さっきの話に戻りますけど、さっきの3%っていう視聴率に含まれる視聴者数が減ってるし、子供の数も減ってますから、やっぱり積極的にそういう層に向けた番組を作らなくなりますよね。ティーン層に向けた、僕らの頃は「夕焼けニャンニャン」とかそういうのがありましたけど、今、高校生が熱中するような番組を作ったとしても、絶対的な数字は少ないんですよ。そう考えるとやっぱりテレビはそこを狙って番組を作れないんですね。世帯視聴率とか気にしますし。
そして、そういう若年層向けの番組が地上波テレビに無いとなると、若い人はフィッシャーズの動画を見るとか、水溜りボンドの動画見るとか、そういう流れに当然なるよな、っていう。

 

 

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